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カウンセリング未満

自らの生き様を心理カウンセラーの観点から綴った半生記、日常生活に役立つEQトレーニング講座・セルフカウンセリング講座など。
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自分への癒しの試み[08]-鬼の所業
平成11年、ようやく父が特別養護老人ホームに入所しました。

母はずっと「あの人には無理だ」と思い続けていたのですが、意外やすんなりと父は入所を受け容れたのです。
(ただし認知症が進んで、入所=一時的な入院くらいにしか理解してなかったのかもしれませんが)

父は僕が仕事中に、施設から迎えの車が来て、それであっけなく家から去っていきました。
母からの電話でそれを知り、仕事の都合を付けて僕はホームに向かいました。

「特別養護老人ホーム」がどんなところなのか?
すでに僕も母も理解していました。
「終の棲家」です。
住民票すら施設に移すのです。

他の介護施設、例えば老人保健施設なら最大入所期間は3ヶ月とか決められています。
ところが特別養護老人ホームには「期限」がないのです。

それがどういう意味か、母とも何度も話しました。

他の施設なら、定期的に面会に来いだの洗濯物を持って返れだとかが条件としてあるのですが、特別養護老人ホームには、それがないのです。

家計は一としながらも、一切の関係を絶つことすら可能なのです。

これってつまり・・・
僕の脳裏に最初に浮かんだ言葉は「姥捨て山」でした。

  誤解のないように言っておきますが、
  特別養護老人ホーム=姥捨て山ではもちろんありません。
  事実、父の入手した施設の職員はとても優しく、
  建物も明るく開放的で、素晴らしい施設だと感じました。

  ただ、利用者を送り出す側の家族の心持ち次第では、
  どんな場所でも天国になり、地獄にもなりえるということなのです。

  おそらく毎週のように頻繁に訪れているような家族も見かけました。
  孫に囲まれて笑っている入所者も見かけました。

  高齢者施設は、どうしても家庭では介護が仕切れない、
  そういう家族の負担を軽減し、
  尚かつ高齢者に快適な生活をもたらそうとするものです。
  高齢者施設は本来そういうところなのです。

  ただ、家族がどういう思いで臨むかによって、意味が異なる。
  だから僕にとっては残念ながら
  「姥捨て山」に思えたというわけなのでした。
  繰り返しますが特別養護老人ホーム=姥捨て山
  と言ってるわけではないので誤解のないように。

ホームについて、名前を告げると、僕は事務所の奥の応接スペースに通されました。
やがて責任者らしき女性がやってきて、父は少し興奮状態なので、お会いにならない方がいいと思う、と告げました。

それから手続きです。
面白いなと思ったのは、元々申し込んであったのは確かなのですが、今日、突然ホームから電話があって、手続きらしいものをまったくしないまま父は連れてこられたのです。

だからこれから色んな書類を準備しなければならないのです。

結局、その日は父に面会することもなく、ホームを後にしました。

事務所の職員、施設の職員、優しい笑顔で物事も柔らかですが、
心の中でどう思っているかは推し量れません。

(こんな程度の痴呆で、父親を施設に入れるなんて・・・)
(お前が同居すれば介護なんて簡単なんじゃないか?)

何しろ僕としては「捨ててきた」気持ちなのですから。
やましい心があるのですから、些細なことから被害妄想に囚われます。

帰り道でも「捨ててきた」というイメージはどうしても拭えませんでした。
良心の呵責に耐えかねて
「良心?」
違いますよね、たんに「世間体」とか「見栄」ですよ。

だから自分を抵当化するために、僕は自分が「鬼」なんだと思わずにはいられなかった。

「こめんね。息子は鬼だから。いらなくなった親はこうして捨てるのさ」

泣きはしなかった。
泣くシーンじゃないし。
泣いて済む問題でもないし、泣く権利も泣く理由もないし。

ただ自分はとうとう凄いことをやってしまったんだなと、
やってやれない介護を放棄して、父を捨ててきたことは事実なのです。

「実の親」を捨てた息子

それはまちがいのない鬼の所業だったのです。
| 自分への癒しの試み | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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