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カウンセリング未満

自らの生き様を心理カウンセラーの観点から綴った半生記、日常生活に役立つEQトレーニング講座・セルフカウンセリング講座など。
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自分への癒しの試み[16]母親の役割
父の回で書きましたが、兄が生まれる前から父に悩まされていた母は、次男の僕の誕生を変化の切っ掛けにしたいと願っていたようです。
しかし残念ながら母のその願いは叶いませんでした。

今思うと、母の生涯は、傷つけられたプライドの再生に尽きると感じるのです。

母は、父親(僕の祖父)の仕事の関係で青春時代を神奈川県の川崎市で過ごしました。
女学校に通い、将来は文学に関係する仕事に就きたいと夢想していたのですが、その夢は祖父の失明と、戦争によって打ち砕かれます。
失明して職を失った祖父一家は、故郷の足利へと舞い戻ります。
仕事は何もありません。長女である母は直ぐに奉公に出されました。

都会で、自由に華やかに学校に通っていた少女には、あまりに厳しい環境の変化だったと思います。

戦争終結後、祖父は死に、母の兄が一家の大黒柱として家族を支えることになります。
この伯父も、行きたかった大学進学の道を閉ざされ、若くしてその母と4人の弟妹を養うことになったのです。

過酷な時代だったのだなと思います。
(ちなみに母方の一番下の叔母は、キャスリン台風で足利が大打撃を受けたとき、生きていても辛いだけだと増水した川に投げ捨てられそうになったそうです。今でも兄弟が集まると「お前は死に損なったんだ」と言われます)

この後、どういう経緯で母が父と知り合ったのかは判然としません。
しかし「見合い」でなかったこと、今でいう「できちゃった婚」であったこと、加えて「もう一人、結婚を考えた男性がいた」ことは事実だったようです。
その「もう一人の男性」と結婚していれば・・・
きっと母は何度も思ったのでしょうね。
きっと何度も何度も悔やんだのだと感じるのです。

最初の記事でも書きましたが、結婚して直ぐから、母と父はこんな関係になっていたといいます。

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ただ、亡くなってから発見された母の日記を信じるなら、
父の言葉の暴力は結婚して直ぐ、
5歳上の兄が生まれる前から始まっていたらしいのです。
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また別の記事で
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母の日記によると、酔って帰った父は、
どこの誰々と遊んだとか、一緒に飲んだとか、あとはもっと聞きたくないことまでを、
寝ていた母を起こしてくどくど説明したのだそうです。
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と書きました。

少女時代を都会で過ごした母は、祖父の失業と戦争による貧困で夢と希望を失い、父と結婚することで女のプライドすらも深く傷つけられたのです。

それなのに、何故母は父を選んだのか?
これだけはとうとう母から聞くことはありませんでした。

「あんなに酒癖が悪い人だとは思わなかった」
結婚前の父について母が語ったのは、これだけなのでした。

母の日記は断続的に、兄が生まれる数ヶ月前から、僕が小学1年の時まで続いていました。
その後の日記は存在が認められず、数十年の時を経て、亡くなる数年間の日記が残されていました。

このブログで、まるで僕が古くから母を愛して止まなかったと思われるかもしれませんが、実際はまったく逆です。

僕は父を憎むのと同様に、母のことも憎んでいました。
僕が逃げたかったのは父の存在だけではなかったのです。
母からも逃げたかった。
もっと言えば、母なんか捨ててしまいたかった。

思えば、本当に親不孝な息子だったのです。
時を巻き戻すことはできませんが、仮にできたら、心から孝行したい、そして僕が投げつけた残酷な罵声、一つ一つについて心から懺悔したい。
・・・それが叶うはずがないから、後悔はなくならないのでした。
| 自分への癒しの試み | 22:43 | comments(0) | - | pookmark |